
首はなんとなく怖い、痛めそうなどと少し繊細な場所だけに抵抗のある方も多いのではないでしょうか?
しかし首の筋肉を柔らかくしておくことはとても重要で身体にとってのメリットも沢山あるのです。
今回は高齢者の方でも安心して首の筋肉を柔らかくするストレッチの紹介をしたいと思います。ぜひ参考にして取り組んでみてくださいね!
目次
首の筋肉は?
首の筋肉は意外と複雑な構造をしています。メインとなるのは胸鎖乳突筋、斜角筋、僧帽筋、頚板状筋、肩甲挙筋ですね。
これらの筋肉が硬くなることによって様々な症状が発症します。
ちなみに、ストレッチでこれらの筋肉一つ一つを伸ばすというよりかは、例えば僧帽筋を伸ばすと同時に、斜角筋や肩甲挙筋も伸びてくるイメージです。
ここまで覚えることは一般の方には必要はないですが、解剖を筋肉を伸ばして柔らかい状態を保つことが重要であることは認識しておきましょう。
では念のため今回のストレッチで大切になる筋肉をより詳しくみていきましょう。
胸鎖乳頭筋
胸鎖乳頭筋は鎖骨から側頭部にまで伸びる筋肉です。この筋肉の役割としては首を左右に振る、左右に傾ける、頭を前方に倒すといったことが主な役割ですね。
特に頭をしっかり支えている筋肉なので硬くなったりすると肩がこるなどの症状がでてきます。
板状筋
板状筋は頭板状筋と頸板状筋に分かれます。
これら2つは同じ板状筋ですが付着している位置が変わります。頸板状筋は脊柱から頸椎に付着しており、頭板状筋は脊柱から頭部に付着しています。
これら板状筋の主な役割は頭を前方に倒す、首の位置を固定するといった姿勢に関する筋肉でもあることから、筋力低下や柔軟性低下は避けたい筋肉群であることが言えます。
肩甲挙筋
肩甲挙筋は肩甲骨を頭部を繋ぐ筋肉です。肩甲骨を柔らかくすると肩こりや首がスッキリすると言われるのは主にこの肩甲挙筋が柔らかくなったからです。
肩甲挙筋の役割は肩甲骨を挙上させること。挙上もあれば下制もありますが下制には別の筋肉が働きます。肩をすくめるよううな動きが肩甲挙筋の働き。
つまり極度なストレスを感じたりすることで無意識に肩に力が入り肩甲骨が挙上し肩甲挙筋が緊張することから首の疲れになります。
斜角筋
斜角筋は前、中、後と3つに分けることができます。斜角筋の働きは首を斜め下に倒すことです。胸鎖乳突筋とともに動きます。つまり斜角筋もしくは胸鎖乳頭筋のどちらか一方が硬くなると両方ともの筋肉が硬くなる傾向があると言えます。
僧帽筋
僧帽筋は首から背中にかけて広がる大きな筋肉です。主に姿勢の安定性と頭部の安定に働きます。
この僧帽筋は肩を挙上させたり、頭部が前に倒れないように保ちますが、硬くなったり筋力低下になると頭部を支えきれず猫背のような姿勢になります。
首の筋肉が硬くなるとどうなる?
肩こりを発症
首の筋肉が硬くなると肩こりを発症します。肩こりは肩の筋肉と思われがちですが実際には首の筋肉が凝ることで血液循環が悪くなり老廃物や乳酸が溜まり痛みになります。
肩こりは同じ姿勢で長時間いることや筋力の低下が原因でもあるので日頃から動かす習慣を身に着けていきましょう!
視力低下
首の筋肉の下には様々な重要な神経や血管が走っています。これは脳へとつなぐものですね。中でも僧帽筋の下には視神経が走っており硬直すると神経圧迫になります。
すると視力が低下する場合があります。僧帽筋をほぐすために毎日ストレッチをして柔らかくしておくことが先決ですね。
不眠症
不眠症は自律神経の乱れによって発症します。
特に自律神経である交感神経優位の状態では身体が活発になるためとても眠れる状態ではありません。副交感神経優位に働くことでリラックスすることができますが、首の筋肉が硬いと自律神経の交換がうまくいかないことがあります。
筋肉が硬くて血液循環が悪いと一生懸命交感神経が優位となり活発に血液を流そうと頑張りますがそれが逆効果として働くのです。
頭痛
頭痛もよくある症状の一つですよね。
主に首の筋肉は頭部と肩甲骨、頭部と脊柱、頭部と鎖骨のように必ず頭を含めて付着しています。筋肉が硬くなるということはギュッと縮まることを意味しているのですね。
つまり引っ張られてしまい痛みになることがあります。この緊張をほどいてあげることが効果的なのです。
高齢者の方がストレッチをする際に注意しておきたいポイント
無理に引っ張らない
高齢とともに筋繊維はもろく弱くなりがちです。
だからといって何もしないわけにはいきません。ついつい早く結果を出したいがために無理に伸ばそうと一生懸命ストレッチに取り組む方もいますが逆効果になります。
特に首は繊細なので痛くない程度で伸ばすことが大切!足などの大きな筋肉は多少無理してストレッチをしてもあまり問題はありませんが筋繊維の関係からここは注意しておきましょう。
頻繁にやらない
続いても首の筋肉は繊細という観点から頻繁にはやらないことをお勧めします。
頻繁というのは1日に5回以上。多くても朝、昼、夜と3回程度にとどめておきましょう。
1日1回は逆に少ないと思いますので2回以上、4回以下にとどめておきましょう。
姿勢を整えてからストレッチすること
首の筋肉は姿勢をしっかり整えた状態で実施すると効きやすいのです。その理由として姿勢が丸まった状態で首のストレッチをすると首ではなく背中の筋肉が伸びることがあるからです。
背中の筋肉を伸ばすことが今回の目的ではないためしっかり姿勢を整えましょう。
肩を下げること
肩を上げた状態でストレッチをすると、全く効果がありません。
ストレッチは筋肉を最大限に引っ張ることを意味していますが、肩を上げたままだと筋肉が伸びず、逆に収縮してしまいます。
本来肩を上げるときというのは筋力トレーニングで用いられることはありますが、ストレッチには不向きなので絶対にやめましょう。
おすすめ首のストレッチ
ベーシックな首のストレッチ
これは誰もがみたことのあるベーシックな首のストレッチですよね。
主に伸ばす筋肉は斜角筋、板状筋ですね。少しだけ胸鎖乳頭筋もストレッチされます。
1 椅子に座ります
2 姿勢を正しましょう
3 右手を頭の上に置き、右に倒します
4 ゆっくりストレッチをかけていきましょう
5 10秒伸ばしてもとに戻し、また10秒伸ばします
6 反対も同様に行いましょう
僧帽筋、板状筋、肩甲挙筋のストレッチ
続いては板状筋、肩甲挙筋、僧帽筋のストレッチです。
椅子に座ってゆっくり顔を下に向けて伸ばすだけ。とても簡単ですよね!
1 椅子に座ります
2 特にこのストレッチは姿勢を正して下さい
3 両手を頭の後ろでつかみます。このとき頭頂部、つまじあたりの位置に手を置くと効果が高まります
4 姿勢は崩さず、ゆっくり顔を下に向けて両手で押します
5 首の後ろ側が伸びている感覚があればそこでキープ
6 10秒伸ばして顔を戻し、また10秒伸ばします
胸鎖乳頭筋ストレッチ
最後に胸鎖乳頭筋のストレッチです。
この部分を忘れている、あるいは知らない方は多いのですが、一番筋肉が硬くなりやすい部位なのでしっかりストレッチを行いましょう。
1 両手を胸の前に置きます
2 顔を上に向けましょう
3 両手で首の筋肉を下に引っ張ります
4 その状態で20秒伸ばしましょう
5 2セット~3セット行います
ストレッチ前に変わった一工夫
テニスボールを使って筋肉をあらかじめほぐしておくことでストレッチ効果が高まります。
これは動画でよく学んでみてくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
首を伸ばす筋肉、ポイント、やり方を理解できたかと思います。
首はとても繊細な筋肉あり、重要な筋肉です。首の下には神経が多くあるため身体に対する影響も大きいのですね。
高齢者の方でも今回紹介したストレッチであれば簡単にできると思います。
是非これからの健康のためにもトライしてみてくださいね!