
高齢者の方で肩の痛みを感じている人はどれくらいいらっしゃるでしょうか?
毎日の何気ない日常生活も億劫になり。
腕全体を上げることさえも怖くなってしまうことがありますよね。
これってひょっとして四十肩?五十肩?そもそも違いは何?と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
今回の記事ではそんな高齢者の方に多い肩の痛みの中で四十肩、五十肩の疑いがある方におすすめする体操を紹介したい思います。
体操は自宅でできるから簡単。
場所を選ばずにできるから続けられる。痛みを解消するポイントは毎日少しでもいいから続けられる環境を作ることです。
それではみていきましょう。
目次
四十肩、五十肩っていったいなんのこと?
症状は同じである
四十肩と五十肩の違いとはなんでしょうか?
よくあるのは「腕が上がらない」「腕を上げようとすると痛みが生じる」「腕を回すことができない」等、肩関節周囲の可動域制限がみられます。
他にも「着替える時に痛みが生じる」「痛くて寝返りが打てない」「症状が悪化している気がする」「肩を後ろに回すことができない」といったことが挙げられます
実は四十肩も五十肩もこのような症状がみられるのです。
つまり同じ症状でありながら呼び名が違うだけに過ぎません。これは40代に発症すれば四十肩、50代で発症すれば五十肩と呼ばれます。
肩関節周囲炎が正式名称
これらの症状は正式には肩関節周囲炎と呼ばれています。
高齢者の方が発症した場合はこちらの正式名称が正しい表現方法でしょう。
60代以降になるとリスクも高くなってくるので要注意です。
未だ解明されていない
実際に多くの方がこれらの症状に悩まされていますが現代科学では未だ解明されていない疾患です。
統計をみると40代~50代の女性に多くみられます。
夜間に痛みが増すために睡眠不足に陥ることもあり、早朝にも痛みが生じることがあります。
また不思議と左右の肩が同時に発症することはほとんどないのです。
このまま放置した場合、半永久的に痛みと付きあっていく可能性もあるので早急な対応が大切になります。
四十肩、五十肩の原因は?
四十肩や五十肩の原因は一体何なのでしょうか?
その原因をみていきましょう。
運動不足
高齢者の方に多いのは運動不足による筋力低下や関節の減りが発症と関連していると考えています。
例えば毎日畑仕事をしている農家の方、地方の高齢者は毎日カラダを動かす習慣が自然とあるために適度な筋肉が形成されます。
しかし都会に住んでいる高齢者の多くは、便利な街であるからこそ自宅にいることが多かったりもします。
どちらがいいのかは公共機関の問題や、財政の問題が絡んでくるので割愛しますが、ここで大切なのは毎日の運動量を高めることが肩の痛みを解消するために大切な要素であることです。
自発的にカラダを動かす機会を設けている方はまだ大丈夫でしょう。
しかし何もせず1日座っているだけの生活、テレビをみているだけの生活では刻々と筋肉は低下していくのです。
そうならないためにも体操や運動を取り入れましょう。
疲労蓄積
肩関節に負担のかかるような動きをしていると疲労が蓄積します。
前述した運動も大切ですが毎日カラダを酷使しすぎても問題です。疲労蓄積により筋肉は硬く血液循環量の減少や、リンパ液が滞ることがあり、神経を圧迫し痛みに変わることがあります。
今回紹介する体操を取り入れながら適度に動かすくらいで十分でしょう。
疲労回復には必ず湯船につかり、よく揉んだりマッサージをすると効果的です。
筋力不足
高齢者の方に多い筋力不足。
皆さん定期的に筋トレをしていますか?おそらく9割の人はやっていないとこたえるでしょう。
筋トレに対するイメージや抵抗というのはハードルが高く感じますよね。
一方で四十肩、五十肩のような痛みに対しては筋肉の中でも分別されるインナーマッスルを鍛えてあげると効果的です。
世間的に言われる筋トレはアウターマッスルと呼ばれるカラダの大きな筋肉を意味します。大胸筋や大臀筋、腹筋、背筋などがそれに当たります。
しかし肩の痛みに関しては細かくて小さい筋肉を鍛えてあげることが有効です。
インナーマッスルの鍛え方はアウターマッスルに比べて辛くないものです。
体操はこのインナーマッスルにアプローチできるため回復が見込めるということですね。
体操で気を付けるポイントは?
今回紹介する体操で気を付けるべきポイントがあります。
既に肩の痛みがある方は無理に動かすことはやめましょう。しかし動かさなければ筋肉が硬くなり更に悪化してしまうのも事実。
そんな状態でできる体操のポイントを予め把握しておくことが大切ですね。
無理に動かさない
人によって痛みの程度や重症度も変わりますが、まず大切なのは無理に腕を上げたりしないことです。
痛みを感じるということはカラダの防衛反応でもあります。痛み神経が脳に信号を送ることで痛覚を感じます。
しかし痛みを感じるか感じないかの瀬戸際まで可動させることは大切な要素です。
痛いからといって全く腕を動かさないでいると余計に可動域が制限され、今よりも動かせなくなることがあります。
こうなってしまっては意味がないどころか悪化に繋がるので気をつけましょう。
動かせる動作から始める
同じ四十肩、五十肩でも方を動かす方向にも違いがあります。
例えば両手を前に出し、そのまま上に上げる動作ができる人もいればできない人もいます。
また、手のひらを上に向けて腕を上げる動作ができる人もいればできない人もいます。
自分自身がどの動作ならできるをしっかり確認しておきましょう。そして痛みを感じない動作は積極的に繰り返していくことが大切です。
多くの方は腕を横から上げていくことが難しいと感じると思います。この場合は前述したように無理には上げず、痛みを感じるか感じないかの瀬戸際で動かしましょう。
カラダを温めてから行う
なるべく筋肉が温まった状態で行うことが理想です。
冬の季節は外気温も低いため、血管が収縮し体温を放出しないようにしています。
これは筋肉がギュッと硬く縮まっている状態のため動かすには不向きでしょう。
なるべくカラダが温まるような環境づくりを行ってください。お風呂に入った後でもいいでしょう。スープ等を飲んでカラダを内側から温めるのもいいでしょう。
なるべく暖房の効いた部屋で行いましょう。
四十肩、五十肩を克服するストレッチ体操とは?
ではこれから四十肩、五十肩に有効な体操を紹介していきます。
くれぐれも体操で気を付けるポイントを認識したうえで行ってくださいね。高齢者の方は特に筋力不足に陥りがちですから安全に配慮しましょう。
動画で学ぶストレッチ体操
壁を使ったストレッチ体操
自宅の壁を使って行うストレッチ体操も効果的です。
動画で多くの手技は紹介しているので観ながら行うのも一つの方法ですが、ふとした時に壁があればストレッチ体操ができますね。
やり方は2通りあります。画像のようにカラダの正面から腕を徐々に上げていく方法とカラダの側面から上げる方法があります。
無理をしないストレッチ体操として人気のあるものです。
1日最低でも3セットは繰り返していきましょう。痛みを感じた場所から引き返していきましょうね。
重力を活かした体操
次に紹介するのはアイロンやペットボトル、軽いダンベルを用いて行う重力を活かしたストレッチ体操です。
机や、椅子に捕まりながら片手ずつ重りを持ち、前後にふらふらと振ります
肩の力を抜くことがポイントであり、インナーマッスルを鍛える種目として有効です。
片手20回×2セットずつ行いましょう。やりすぎということはあまり考えられないので1日に3セット程度行っても問題ありません。
院長のつぶやき
いかがでしたか?
今現在、肩に痛みのある方はすぐにでも実践することをおすすめします。
痛みがあるから動かさないのではなく、痛くない範囲で積極的に動かしていくことが大切です。
患者様にも今現在痛みを抱えていらっしゃる方がいます。
毎回痛みに耐えながらも積極的に動かそうと頑張っています。(私が担当する場合はちょっと痛いこともします)
すると1ヵ月程度で痛みが緩和してきました。
まだ完治ではないですが回復傾向にあり、もう少しで完治ですね。ちなみにその方は80代の女性です。
皆様も自宅でできるストレッチ体操を是非実践してくださいね!今は痛くない方でも予防として取り組むこともオススメですよ。