
高齢者で握力がなくなってきたと感じる方は多いのではないでしょうか?
なんだか手に力が入らない。
ペットボトルのふたを開けることもできない。
買い物袋を長時間持つことができない。
回すタイプのドアノブも苦戦する。そんな方にオススメな握力を回復する3つの方法をご紹介します。
その前になぜ握力が低下するのか?そして握力が低下すると日常生活にどんな影響があるのか?
これを含めて紹介したいと思います。
今日から自宅で実践できる方法にトライして回復させましょうね。
目次
なぜ握力が低下するのか?
運動量の低下
高齢になってくると運動量の低下は否めません。
一般的には筋肉は20代をピークに減り始めると言われ握力に関しては40歳代から衰え始めます。
筋力の衰えは下半身から落ち始め、上半身、腕力、握力と順番に低下していきます。
握力を鍛える場合には、同時多発的に腕力や上半身の大きな筋肉も鍛えていくことが大切です。
書く頻度が減ったこと
書く頻度とは、手のひらでものをつかむ頻度が減ったことを意味します。
ペンを掴んで、文字を書くことは握力の低下を防ぎます。
高齢になると目が見えにくくなり、文字を書くことさえもままならないことがあります。
すると徐々に握力の低下に繋がるのです。
握力の低下と日常生活の影響は?
冒頭にも紹介しましたが、握力がなくなると日常生活の中で不便なことが多くなります。
ここでは更に詳しくみていきましょう。
排せつ困難
握力の低下は排せつを困難にします。
男性の場合、ズボンのチャックを開ける、またはベルトを緩めることに苦労します。
あまりにも握力がなくなると漏らしてしまうことにも繋がります。
食事で箸が持てない
これまで当たり前だった箸を持つことが難しくなるケースがあります。
スプーンやフォークに変えればいいだけの話ですが、一番重要なのは本人の精神的ダメージです。
箸まで持てなくなった自分自身を情けなく思い、年のせいに自暴自棄になる方もいます。
開き直れる方であれば問題ないですが、全員がそうではありません。
物をよく落とす
食事で皿を運んでいる最中に落として割ってしまう。
これはよくある握力低下の現象です。モノを持つことが怖くなってしまっては何もできません。
恐怖心から更に手を使うことがなくなるために余計に握力が低下する負の循環に陥ることがあります。
脳卒中もあり得る
急激に握力が低下した場合は脳疾患の可能性も疑わないといけません。
脳卒中の初期段階で握力の低下がみられます。
認知症リスク
握力の低下によって手を使う頻度が減ると認知症のリスクも出てくることがあります。
手からの刺激は脳の海馬を刺激するため認知にも関連します。
よく編み物をする人は認知になりにくいと言われるのはこのためですね。
自宅でできる握力強化3選
①膝つき腕立て伏せ
まず最初に行うのは膝つきの腕立て伏せです。
一見何も握力と関係ないと思われますが、これが大事!
腕立て伏せによって胸の筋肉と、腕の裏側の筋肉を鍛えます(上腕三頭筋)
握力は手首から下だけのイメージになりますが、筋肉は全て繋がっているため前腕、上腕、胸を鍛えていくことが大切なのです。
膝つき腕立て伏せは画像のように顎を床につくくらいまで下げられることが理想ですが、初めは無理はしなくても良いです。
できる範囲で行いましょう。
やり方
1 膝を付き、手幅を肩幅に広げます
2 ゆっくり上体を下ろしていきましょう
3 10回~20回を目安に2セット行いましょう
②パワーグリップ
パワーグリップは握力を鍛えるのに一番効率の良い方法です。
皆さんも見たことはあるのではないでしょうか?
確かに雑巾絞りや新聞紙を丸めるなどの方法もありますが、正直現実的ではありません。
そういう意味でこのパワーグリップを一つ持っておくと便利です。
パワーグリップは握る際に力を発揮するため、前腕から上腕を鍛えるのに効果的であると言えます。
テレビを見ながらできるので簡単です。
高齢者の方は一番軽い45kg負荷で十分でしょう。
あまりにも負荷が強いとやるのが億劫になりますのでご注意を。
③ペットボトルを使ったトレーニング
500mlのペットボトルを使った握力トレーニングです。
ボトルに半分程度のお水を入れ、手首だけを動かしながら右、左に振ります。
水の勢いで手に負荷が乗るので、買い物で長時間荷物を持てない方はぜひ実践しましょう。
簡単にできる方法なので、今日から実践できますね。
理想は左右に20回振ることです。
片方が終われば、反対側も同様に行いましょう。
院長のつぶやき
握力は鍛え始めればいつでも回復します。
年齢のせいにして諦めることはないようにしてくださいね。
上記で紹介した3つのトレーニングを1日に1回だけでいいので繰り返し続けていきましょう。
2ヵ月~3ヶ月もすると見違えるような握力の変化を感じることができると思います。
頑張っていきましょう。